東京都の工芸品一覧と体験・販売先まとめ 3、家具・インテリア
江戸の歴史を誇る東京には、江戸切子をはじめとした工芸品が数多く存在し、今も職人の手によって製作されています。
この記事では、東京都の工芸品を種類別にご紹介し、合わせてモノづくり体験の情報と贈り物用の情報もご提供します。
東京のお土産や贈り物を探している方、伝統工芸ワークショップに興味がある方、お店の装飾品や衣装、備品類をお探しの方に活用して頂きやすいよう情報をまとめていますので、どうぞご覧ください。
※東京の工芸品一覧および画像は、東京都労働産業局の当ページより引用しています。
家具・インテリア類の工芸品一覧
江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう)
木目込人形とは、桐の粉をふのりで固めた原型に溝を彫り、それに衣裳となる布地を貼り付けて作る独特の製法の人形です。
子供の厄除けとして使われていた背景もあり、今でも職人はこの人形に想いを込めて、頑丈で型崩れしないように作るのだとか。
江戸木目込人形を作る体験:墨田区向島の「塚田工房」さん、御徒町の「真多呂人形会館」さんで製作体験ができます。
江戸木目込人形を買える場所:塚田工房さんや、台東区浅草橋の「人形の田辺」さん、人形の生産で有名な埼玉県さいたま市岩槻区のお店などで購入できます。
東京仏壇(とうきょうぶつだん)
今はあまり見なくなりましたが、和風住宅といえば仏壇があるもの。東京では仏壇の生産が盛んで、お寺の意匠を反映した緻密な細工や木目の質感を活かした作りになっています。
美しく細かい彫刻や木目を活かした漆塗り、釘を使わない組み立て技法など様々な技術が使われているこだわりの一品です。
東京仏壇を作る体験:御徒町の職人、青嶋由雄さんが工房見学のみ受け付けています。その他、イベント等で東京仏壇の体験ワークショップが行われることがあります。
東京仏壇を買える場所:上野駅から浅草駅にかけての浅草通り沿いは「仏壇通り」と呼ばれ、大通りに仏具屋さんがたくさん軒を連ねています。
東京額縁(とうきょうがくぶち)
東京では絵画を飾る額縁も生産されています。19世紀に洋画が普及することで発展した額縁作りは、もともと指物や彫刻、塗装の職人達が分業制で製作していました。
東京額縁はそれらの工程を一人の職人が担い、お客さんのオーダーに沿って仕上げていく形を取るのが特徴です。
東京額縁を作る体験:台東区浅草橋の「額縁工房田島」さんで体験申込ができる古い情報がありました。現在も受け付けているかどうかは不明です。
東京額縁を買える場所:工芸品としての東京額縁を販売するお店は見つかりませんでした。上記の工房などでオーダー製作を依頼できるかもしれません。
江戸指物(えどさしもの)
「指物」とは、釘を使わずに木組みだけで組み立てる家具や雑貨のことを指します。木組みは木の経年変化も意識しながら加工する必要のある高度な技術で、自然で美しい継ぎ目を作ることができます。
江戸指物は桑や桐といった木材を使い、木目を活かした漆塗りで仕上げた上品な見た目。金具も最低限しか使用せず、木の温かみが全面に伝わってきます。古民家カフェや宿泊施設の調度品にピッタリ!
江戸指物を作る体験:台東区蔵前の「茂上工芸」さんでは、江戸指物職人の技術を使った箸作り体験を提供しています。他にも台東区・荒川区の職人さんが工房見学と体験の受け入れを行っています。
江戸指物を買える場所:文京区江戸川橋の「常心亭」さん、荒川区三河島の「根本一徳」さんなどが販売しています。ECサイトでも取り扱いが多いですね。
江戸簾(えどすだれ)
和風カーテン、ブラインドと言えば「すだれ」でしょう。庶民に使いやすいシンプルで使い勝手の良いデザインを持つ江戸簾は、和室のインテリアにぴったりです。
竹や萩、葦など様々な素材で作られたものが存在しています。どれも風通し良く涼しげなので、夏には快適です。
江戸簾を作る体験:浅草の「田中製簾所」さんで工房見学・体験を提供しています。
江戸簾を買える場所:田中製簾所さんで購入が可能です。
江戸衣裳着人形(えどいしょぎにんぎょう)
木彫りの人形である江戸衣裳着人形には、ひな人形や市松人形といった身近なもののほか、様々な種類のものが存在します。
手作業で作られるこの人形には、職人が「いかに魂を吹き込むか」と考え、繊細に作った想いを感じ取ることができます。
江戸衣裳着人形を作る体験:足立区の「幸一光」さんが工房見学のみ受け付けている情報があります。
江戸衣裳着人形を買える場所:「幸一光」さんの作品が全国の百貨店などで購入できます。
江戸甲冑(えどかっちゅう)
戦国時代、身体を弓から守る「大鎧」をベースにしたものが、この江戸甲冑です。京都で造られる甲冑は豪奢できらびやかなデザインに対し、江戸甲冑はよりリアルな意匠を再現しています。
甲冑は大きいぶん、作業工程も非常に多岐にわたり、手作業で一つひとつ仕上げていくのはものすごく骨の折れる仕事です。
江戸甲冑を作る体験:西東京市の「加藤一冑工房」さん、文京区本駒込の「加藤鞆美」さん、埼玉県越谷市の「忠保」さんで工房見学が可能です。
東京籐工芸(とうきょうとうこうげい)
東南アジアに生息し家具などに使われる籐は、日本でも座椅子などに重用されています。手作業で編み込まれる籐は弾力もあって丈夫なので長持ちします。
籐ならではのひんやりした感覚と通気性の良さは日本の夏にもピッタリ。アジアン家具とはまた違う、日本の籐家具の良さにも注目してみませんか?
東京籐工芸を作る体験:台東区浅草橋の「小西のラタン」さんが籐アクセサリー作りの体験を提供しています。また、文京区千石の「木内籐材工業」さんが工房見学を受け付けています。
東京籐工芸を買える場所:小西のラタンさん、木内籐材工業さんで購入が可能です。
江戸木彫刻(えどもくちょうこく)
江戸木彫刻の特徴は、小刀を使わずノミだけで木を彫っていくこと。これは元々、大工の技術から発展したためで、なんと数百本にも及ぶ種類のノミを使い分けて彫るそうです。
写真のようにすごく細かくて繊細な彫刻が、まさかノミだけで彫られているとは夢にも思いませんが、これがまさしく「職人のなせる技」と言えるでしょう。
江戸木彫刻を作る体験:浅草(田原町)の「宗舟」さん、葛飾区水元の「塩田木彫店」さんで工房見学が可能です。
江戸木彫刻を買える場所:宗舟さん、塩田木彫店さんなどで購入できます。
江戸表具(えどひょうぐ)
「表具」とは、巻物や掛軸、ふすまや屏風といった、紙や布で作られる製品を指します。現代の表具店では、ふすまや障子紙の仕立てや張り替えなどを請け負うのが最も私達に身近な仕事です。
表具は本や書画といった、紙に書かれた作品を守り保存する役割も果たしており、また装飾にもなるため、その作りやデザインに妥協するところはありません。
江戸表具を作る体験:墨田区森下の「江戸表具博物館」で江戸表具の展示および体験が可能です。また、台東区稲荷町の「石井三太夫表具店」さんでも工房見学および体験ができます。
江戸表具を買える場所:通販サイトの「江戸monoStyle」さんで取り扱いがありました。表具は購入よりもリフォーム関連の発注の方が馴染みがあるかもしれませんね。
江戸からかみ
江戸からかみは、主にふすまに使われる柄付きの和紙です。住宅やホテルのインテリアに今も使われているほか、封筒や文房具などの小物類にも使用されるようになっています。
元々江戸からかみは、木版摺りを扱う唐紙師、金銀箔の粉で装飾する砂子師、織物の型紙染めを応用する更紗師といった様々な種類の職人が競い合うように発展させてきたため、多様な技術とデザインが詰まっています。
江戸からかみを作る体験:常設の体験ワークショップは無さそうですが、伝統工芸イベントなどで実施することがあるようです。
江戸からかみを買える場所:上野の「東京松屋」さんで一般客・事業者向けに大量の江戸からかみの取り扱いを行っています。
江戸木版画(えどもくはんが)
木版に絵を彫り、紙に摺るのが「木版画」。江戸ではこの木版画の技術によって浮世絵が流通し、代表的な大衆文化を形成するに至りました。
浮世絵を摺る際は、木版を彫る彫師と、和紙に絵を摺る摺師が共同で行います。紙に摺る際、色付けの印象も変わってくるため、和紙の状態などによって色付けを見極めるのも、木版画の深い部分です。
江戸木版画を作る体験:浅草の「木版館」さんで木版画摺り体験ができます。
江戸木版画を買える場所:木版館さんや水道橋の「高橋工房」さん、神保町などにある浮世絵専門店などで購入できます。
江戸手描提灯(えどてがきちょうちん)
かつては生活必需品の照明として使われていた提灯。今では祭りの時の装飾としておなじみですが、昔はそれぞれの家紋が入った、人々の暮らしに欠かせないものでした。
職人は家紋をフリーハンドで描いていたといい、現在でも家紋のみならず様々な絵を提灯に書き、お土産や装飾として親しまれています。
江戸手描提灯を作る体験:浅草の「大嶋屋恩田(提灯屋.com)」さんで提灯絵描き体験ができます。
江戸手描提灯を買える場所:大嶋屋恩田さん、浅草の「ちょうちん花藤」さんなどで購入できます。
【東京都の工芸品紹介記事一覧】
3、家具・インテリアの工芸品
4、アクセサリー類の工芸品
5、日用品・道具類の工芸品
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東京都の工芸品一覧と体験・販売先まとめ 4、アクセサリー | かなでや · 2019年1月20日 3:25 PM
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